孫への贈与に家族信託の活用をした事例
相談事例…相談者 Aさん
《家族構成》
- 父:(A)
- 長男:(B)
- Bさんの未成年の子供:(C)
- 相続財産:多くの資産
Aさんは未成年である孫のCさんにご自身の資産を残したいと考えていますが、お孫さんご自身で財産管理をするまではしばらくかかります。Aさんは、Cさんの高校卒業時、大学卒業時、結婚時に財産を渡したいと考えており、それまでの間に長男に財産を使いこまれることを避けたいがどうしたら良いかとのご相談です。
家族信託を活用する
孫へ財産を相続させる場合、従来では遺言書を活用して遺産相続の指示を行うのが一般的でしたが、遺言書を利用した場合、孫はAさんの死後すぐのタイミングでのみ財産を取得するしかありません。よって今回のご相談者様のご希望のタイミングで財産を渡す事は遺言書では難しいのが現状です。このような場合に家族信託を活用し、下記の様に設定します。
- 委託者:Aさん
- 受託者:Bさん
- 受益者:Cさん
この信託契約を行うことでAさんがもしもの場合、受託者であるBさん名義の信託口座へ財産を入金し、Bさんは契約通り指定されたタイミングで受益者であるCさんに財産を渡します。その際、Cさんは未成年ですのでBさんが契約を遂行し、Cさんが受益者として確実に財産を受け取るために、信託監督人や受益者代理人を指定しておきましょう。
遺言書では財産を渡すタイミングまでは指定することは出来ませんが、家族信託を活用すれば柔軟かつ自由度の高い遺産承継が実現できます。